昨日一日中降っていた雨があがり、園庭では子どもたちがどろんこ遊びを始めます。
はだしになって遊ぶ子どもは、それが心地よいことを知っています。
じょうろに蛇口から水を入れて、これだけでも子どもにとっては楽しい遊びです。
どろんこ遊びも感触を楽しむだけではなく、ここでは子ども同士の色々なやり取りがあるようです。
じっくりと一人で感触を楽しむのは3歳児です。
子どもの感覚には「ちらかしている、よごれている」という感覚はありません。
どろ団子の製作キットも販売されています。そこには、作り方が写真つきで詳しく解説されていて、「砂Aに付属のカップ1杯の水を加えてーーー」等と、指示通りに作れば、綺麗などろ団子を作ることが出来るわけです。そのようなキットを買ってもらった子どもは、親に手伝ってもらって出来上がったどろ団子を他の子どもに自慢するかも知れません。そして、そのどろ団子を飾っておいて眺めるだけで、その後どろ団子作りをすることはないでしょう。キットで作ったどろ団子より綺麗なものは作れそうにない、いや作れないと思ってしまうのでしょう。
しかし、幼稚園で年長児が作っているどろ団子を見て、「僕も作ってみたい」と思った子どもは、土に水を加えて何度もどろ団子を作ることでしょう。そして、周りを見回して上手に作っている方法を情報として仕入れ、さらに工夫してどろ団子作りを上達させていきます。キットで作ったような綺麗なものは出来ませんが、自分で作って上手に出来たと思うものを自慢して見せてくれます。これが大切なのです。与えられたものではなく、自らが見出し、自らがやり始めるものが本物の遊びであり、本当の成長がそこにあることを忘れてはいけないでしょう。